
水戸に先制許すも、5発でホーム味スタ90分勝利。
4月下旬からゴールデンウィークにかけて一気に終盤へ向かう明治安田J1百年構想リーグ。EASTの首位を走る鹿島を追うには、とにかく勝ち点3を積み上げていくしかないFC東京は、金曜夜にフライデーナイトJリーグ(“金J”)として味の素スタジアムに水戸を迎えて対戦。PK2試合を含む3連勝と調子を上げてきた水戸に先制を許すも、前半でひっくり返したFC東京が5ゴールを決めて大勝。ようやくホーム味スタで90分勝利をもぎ取り、ゴールデンウィークでの連戦に弾みをつけた。
ACLエリート出場中の町田と前倒しで試合をした関係もあって、前試合からは約2週間空いたFC東京は、第10節の横浜FM戦と先発は変わらず。一方、中4日で味スタの乗り込んできた水戸は、大森理生の兄・大森渚生に代えて新井が先発に入った。また、水戸は前節に抗議でピッチに踏み込み、退場となった樹森監督に代わって、コーチの林雅人が指揮を執った。
序盤は飯田、渡邉とシュートを放った水戸だが、次第にFC東京ペースに。常盤のスルーパスからマルセロ・ヒアンのシュートは枠左に、フリーで放った室屋のシュートはGK西川に防がれるなど、得点機は何度か訪れたものの決定打に欠いていると、16分に大崎のロングスローの流れからのこぼれ球を左サイドの新井がクロスを送ると、ニアサイドに飛び込んだダニーロが右脚で合わせてネットを揺らし、FC東京に攻勢を許していた水戸が先制に成功した。
22分には渡邉のパスを受けた多田のペナルティエリア内からのシュートがサイドネットに。サイドからのクロスでの失点という課題が早々に露呈し、水戸に主導権を奪い返されそうな雰囲気も醸すFC東京だったが、35分に水戸が自陣からGK西川、飯田、新井と繋いだものの、室屋のプレスを感じたか、新井がややラフに前方へワンタッチパス。これがパスミスとなってFC東京のアレクサンダー・ショルツに渡ると、ダイレクトで縦へパス。これを受けたマルセロ・ヒアンがペナルティエリア手前から右脚一閃、ニアサイドから突き刺す弾丸シュートがネットを揺らして、FC東京が同点に追いつく。このスーパーミドルが決まっていなければ、試合展開が全く違ったものになっていた可能性も高かったはず。FC東京、水戸両者にとってターニングポイントとなるゴールだったといえるだろう。
このゴールで熱気を増したホームチームは、43分に右サイドライン際からの室屋が右サイド奥へ佐藤恵允を走らせるスルーパスを送る。水戸・板倉が身体を入れ、GK西川へやや強めの浮き球パスを戻したところ、GK西川のトラップが大きくなり、佐藤龍之介がプレス。GK西川はスライディングでなんとかシュートを打たせなかったが、そのこぼれ球を佐藤恵允が拾ってGK西川をかわし、左脚でゴールを決めて、FC東京が逆転に成功。
アディショナルタイムには、佐藤恵允のパスを受けた佐藤龍之介のスルーパスに反応したマルセロ・ヒアンがペナルティエリアに侵入したところで、後方からダニーロがスライディングを試みたものの、マルセロ・ヒアンを倒してしまい、PKの判定に。GK西川はマルセロ・ヒアンのPKに反応したものの、西川の左手を弾いてゴールイン。水戸のミスを見逃さずにボールを追いかけたFC東京が、前半から逆転で2点差をつけた。
後半からは、FC東京が存在感を出せないでいた遠藤を仲川にスイッチし、水戸は新井に代えて山本を投入。もどかしさが解消されない水戸は55分に渡邉と真瀬を下げて、根本と大森渚生をピッチへ。水戸はペナルティエリア手前から山本が放ったシュートは枠外、右サイドからのアーリークロスを根本が頭で合わせてネットを揺らすもオフサイド判定でノーゴール。FC東京は仲川のシュートがGK西川にセーヴされ、CKからマルセロ・ヒアン、ペナルティエリア手前からの橋本拳人のミドルシュートはGK西川の正面、ドリブルで水戸DFをかわしてペナルティエリアへ侵入した佐藤龍之介のシュートは枠上と決め切れず、水戸が追加点を挙げると嫌なムードになりそうとの考えが過ぎった68分、左サイドからの佐藤龍之介のクロスを根本が頭で跳ね返すも、そのこぼれ球を拾った室屋が、右へ持ち出しながらペナルティエリア外から弾道鋭いミドルシュートを決めて、FC東京が追加点。4-1と3点差をつけた。
だが、水戸は失点直後にピッチに投入された安藤が左サイドで室屋からボールを奪うと、ドリブルでペナルティエリアに侵入。アレクサンダー・ショルツをかわし、カヴァーに入ってきた室屋を切り返してかわすと、右脚でゴールへ流し込み、Jリーグデビュー戦に交代直後のファーストタッチで初ゴール。将来を期待させるようなパフォーマンスで追いすがる。
しかしながら、打ち合いとなった様相は、寧ろFC東京に好都合。両者ともに疲労が見え始めてスペースが生まれると、より縦に速い攻撃でFC東京が流れを引き寄せ、74分に橋本拳人のパスを受けた橋本健人が左サイドライン際からマルセロ・ヒアンへパスを送ると、ペナルティエリアでややマイナス気味のラストパス。佐藤恵允が猛然とペナルティエリア中央に走り込み、中央に橋本拳人、ファーサイドに室屋も走り込むなかで、佐藤龍之介が中央からフリーでゴールを決めて、5得点目。結果、3点差をつけて、FC東京が味スタで勝ち点3を積み重ねた。
5得点は数字的には大勝となるだろうが、水戸のハイプレス後のスペースのケアやパスの精度に助けられたこともあって、ペースを握らせてもらえたという印象。得点シーンよりも、クロス時のマークや詰めの遅さからの失点や、攻撃は見事だったが、守備面ではコンディションや疲労もあるのか、途中交代の安藤に何回か突破された室屋、セーフティにクリアするところでまごついた感のあった稲村など、ディフェンス面では課題も露呈。水戸も芯のあるサッカーをしてきてはいたが、精度には不安定さがあり、ミスが出たところをFC東京に突かれた感はあった。FC東京は首位を追うなかで、上位陣相手では容易にこのようなミスが出る確率は低いと受け止め、しっかりと対策を講じてもらいたい。
攻撃面ではスプリントと運動量でピッチを駆け回った両佐藤や流れを変えたシュートを決めたマルセロ・ヒアンなど全体的に良さが目立ったが、陰ながら攻守において常盤の安定感が見事。タイトで素早いプレスの相手にも同じようなパフォーマンスが出来れば、さらに好調を続けられるはずだ。
とはいえ、もちろん攻撃にも課題はあって、特に前半はミドルシュートを狙う場面が少なかった。今大会のFC東京はチャンス構築数が多いチームの一つではあるが、その割には得点数や決定率が上がってこない。これは最後はシュートで終わるという形を生み出せていないことにも繋がってくる。スペースが生まれて攻防が激しくなって以降はミドルシュートも打ってくるようになったが、序盤からその意識を高めていかないと、タイトな相手に脅威を与えられるまでにはならない。
同時刻で開催した柏との一戦で勝利した鹿島は、最少得点で勝利し、勝ち点差を詰めるには至らず。残り6試合で勝ち点差6は、通常のリーグでいうところの「試合数より勝ち点差があると逆転は難しい」のセオリーにギリギリのライン。ただ、最終節は鹿島との直接対決を残しているため、直接対決までに勝ち点3差以内に詰めておくことが必要。鹿島の“取りこぼし”を願うことにはなるが、まずは自身で最善を尽くしていくことが肝要。次節は現時点で波に乗り切れずEAST下位にいるとはいえサッカーそのものは悪くない印象の、前回対戦で敗戦した柏が相手。シーズンダブルを喰らう訳にはいかないのは当然として、アウェイ柏で90分勝利を挙げられるかどうか。首位鹿島猛追の分水嶺となる一戦といえる。それを経て、川崎との多摩川クラシコ、千葉、ヴェルディとの東京ダービーという味スタ3連戦が続く。味スタでの最高のゴールデンウィークを迎えるために、まずは慢心なく柏戦へ万全の準備をすることだ。
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明治安田J1百年構想リーグ 地域リーグラウンド 第12節
2026年4月24日(金)19:03KO
味の素スタジアム
入場者数: 18,098人
天候:曇り / 気温: 18.5℃ / 湿度:68%
主審:上村篤史
副審:大川直也、廣瀬成昭
第4の審判員:中川愛斗
VAR:木村博之
AVAR:川崎秋仁
FC東京 5(3-1 / 2-1)2 水 戸
【得点】
(東):マルセロ・ヒアン(35分)、佐藤恵允(43分)、マルセロ・ヒアン(45+5分、PK)、室屋 成(68分)、佐藤龍之介(74分)
(水):ダニーロ(16分)、安藤晃希(70分)
〈試合経過〉
16分 得点 水戸 ダニーロ
35分 得点 東京 マルセロ・ヒアン
40分 警告 水戸 真瀬拓海
43分 得点 東京 佐藤恵允
45+3分 警告 水戸 ダニーロ
45+5分 得点 東京 マルセロ・ヒアン(PK)
46分* 交代 東京 遠藤渓太 → 仲川輝人
46分* 交代 水戸 新井瑞希 → 山本隼大
55分 交代 水戸 渡邉新太 → 根本 凌 / 真瀬拓海 → 大森渚生
68分 得点 東京 室屋 成
69分 交代 水戸 マテウス・レイリア → 安藤晃希
70分 得点 水戸 安藤晃希
71分 交代 東京 アレクサンダー・ショルツ → 大森理生
74分 得点 東京 佐藤龍之介
75分 交代 水戸 仙波大志 → 山下優人
83分 交代 東京 佐藤恵允 → 山田楓喜 / マルセロ・ヒアン → 野澤零温
88分 交代 東京 稲村隼翔 → 森重真人
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【FC東京メンバー】
〈スターティングメンバー〉
GK 81 キム・スンギュ
DF 02 室屋 成
DF 17 稲村隼翔
DF 24 アレクサンダー・ショルツ
DF 42 橋本健人
MF 16 佐藤恵允
MF 18 橋本拳人
MF 22 遠藤渓太
MF 27 常盤亨太
FW 09 マルセロ・ヒアン
FW 23 佐藤龍之介
〈控えメンバー〉
GK 01 田中 颯
DF 15 大森理生
DF 03 森重真人
MF 10 東 慶悟
MF 71 山田楓喜
MF 08 高 宇洋
FW 28 野澤零温
FW 39 仲川輝人
FW 55 尾谷ディヴァインチネドゥ
〈監督〉
松橋力蔵

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【明治安田J1百年構想リーグ FC東京 日程】
〈地域リーグラウンド〉
第01節 2026年2月07日(土)13:30 ▢FC東京1-1鹿 島 (H・味スタ)
第02節 2026年2月14日(土)15:00 ▢FC東京1-1浦 和 (H・味スタ)
第03節 2026年2月21日(土)15:00 〇FC東京2-1川 崎 (A・U等々力)
第04節 2026年2月28日(土)15:00 ✕FC東京0-2 柏 (H・味スタ)
第05節 2026年3月07日(土)14:00 〇FC東京3-0横浜FM (H・MUFG国立)
第06節 2026年3月14日(土)14:00 ▢FC東京1-1水 戸 (A・Ksスタ)
第07節 2026年3月18日(水)19:00 〇FC東京2-1千 葉 (A・フクアリ)
第08節 2026年3月22日(日)14:00 ■FC東京0-0東京V (A・味スタ)
第11節 2026年4月01日(水)19:00 〇FC東京3-0町 田 (A・Gスタ)※
第09節 2026年4月05日(土)15:00 ■FC東京0-0町 田 (H・味スタ)
第10節 2026年4月11日(土)15:00 〇FC東京3-1横浜FM (A・日産ス)
第12節 2026年4月24日(金)19:00 〇FC東京5-2水 戸 (H・味スタ)
第13節 2026年4月29日(水)16:00 FC東京✕ 柏 (A・三協F柏)
第14節 2026年5月02日(土)14:00 FC東京✕川 崎 (H・味スタ)
第15節 2026年5月06日(水)15:00 FC東京✕千 葉 (H・味スタ)
第16節 2026年5月10日(日)15:00 FC東京✕東京V (H・味スタ)
第17節 2026年5月16日(土)16:00 FC東京✕浦 和 (A・埼スタ)
第18節 2026年5月23日(土)17:30 FC東京✕鹿 島 (A・メルスタ)
〈プレーオフラウンド〉
PO1 2026年5月30日(土)・31日(日)FC東京✕未定 (A・未定)
PO1 2026年6月06日(土)14:00 FC東京✕未 定 (H・MUFG国立)
※町田がACLE2025/2026準々決勝以降出場の場合は4月18日(土)→4月1日(水)に開催
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