FC東京 vs 柏 @味スタ【百年構想リーグ】


 修正力の差を見せつけられ、連勝・無敗がストップ。

 柏サポーターから見れば、「FC東京もなかなかやるな」くらいの感想だったかもしれない。序盤からFC東京が決定機を演出し、ゴールを脅かした。前半20分までFC東京がシュート8本なのに対し、柏は0本。前半終了時はFC東京は10本、柏が3本、ゴール期待値がFC東京の1.10に対し、柏は0.38とチャンスメイクの回数はFC東京が圧倒していた。

 ただ、FC東京が決めるところで決められずにいると、柏は昨季2位の原動力となった的確に動き、繋ぐサッカーで修正力を発揮。FC東京のプレスが落ち着き、中盤から展開できるようになると、柏の時間帯へ。FC東京も何とか柏の攻撃を食い止めていたものの、後半序盤の54分に左サイドの小見のクロスにニアサイドへ飛び込んだ垣田がヘディングシュート。稲村が垣田に付ききれず、柏が先制点を挙げた。

 FC東京は63分、長友を橋本健人、マルセロ・ヒアンを遠藤にスイッチすると、柏も67分に先制ゴールを決めた垣田に代えて細谷を、アシストした小見に代えて山之内を、山内には瀬川をと3枚替えを敢行。フレッシュな選手を投入して、主導権を譲らない。

 交代の効果がそれほど窺えず、疲労も見えてくると、FC東京は74分に常盤、佐藤龍之介を小泉慶、山田に、さらに81分に佐藤を仲川に代えて、得点を奪いに行く姿勢をみせる。だが、82分に柏は右サイドからの久保のパスをペナルティエリアで受けた瀬川が右脚を振り抜く。一度は稲村のブロックに合うが、そのこぼれ球が再び瀬川のもとへ転がると、瀬川は左脚で反応。当たりは鋭くなかったがコースが良く、GKキム・スンギュの伸ばした手の先をすり抜けて、ゴール左下へ吸い込まれ、柏がリードを2点とした。

 あとがないFC東京は、終盤に長倉、仲川が立て続けに決定機を迎えたが、GK小島の好セーヴもあって、ネットを揺らすことができず。そのままタイムアップを迎え、無敗はここでストップ。一方、開幕から3連敗の柏は、ようやく持ち前のサッカーを繰り出し、今季初勝利を挙げた。

 試合終了後の感想は、勢いある若手の新星と酸いも甘いも嚙み分けた老獪なヴェテランボクサーとの対決とでも言おうか。若手の新星は怒濤のラッシュを決めておけば、試合の流れを一気に引き寄せられたはずだが、そこを老獪なヴェテランが寸前で交わし耐えると、手数が次第になくなってきたのを見計らって反撃。若手に疲れと隙が見え始めたところで一気に畳み掛けてダウンを奪う……3連勝と勢いに乗ってきたFC東京だったが、柏の成熟した“大人”のサッカーにしてやられ、力尽きたという印象だ。


 試合直後のスタッツでは、シュートはFC東京は15本(枠内4本)、柏は9本(枠内6本)、ゴール期待値はFC東京1.83、柏1.01と、決定機を考えると、FC東京は2点を獲っていてもおかしくない数値。ただ、枠内シュートは柏が割合も本数も上回っており、決めておくべき時に決めておかないと……という典型的な試合にも見えた。

 FC東京は、遠藤に代えて佐藤龍之介を先発で使ってきた。遠藤は決して悪い状態ではなく、むしろ好パフォーマンスを出していたのだが、途中からの出場で脅威を与えてた佐藤龍之介に機会を与えた形だ。その期待に応えて、全般には良いパフォーマンスを出せていたと思うが、前半4分にマルセロ・ヒアンからのスルーパスを受けた絶好機に決め切れなかったことが尾を引いた。もちろん、柏・GK小島が幾度もファインセーヴでしのいだこともあるが、結果的には連勝時には先発を代えない定石に追従しなかったことが、勝利を逃したことにもなった。

 この日の問題点は、どうしてもパスを後ろに戻してしまうクセが再発してしまったことと、球離れが遅かったこと。縦にパスを入れるも、すぐに後ろへ戻してしまうため、推進力を欠き、柏に守備に戻る時間を与えてしまう。両チームとも、FC東京は長倉や佐藤恵允、柏は久保や小泉佳穂をはじめ、良く走ったが、特に柏はプレスもプレスバックも早く、それに対してFC東京がスペースを見つけられなかった形に。とはいえ、持ち上がった際にダイレクトでパスを繋ぐ工夫があれば、柏の選手たちを動かすことができるゆえ、疲労度も異なっていたはずだ。ダイレクトプレーの少なさは、攻撃面でも同様だ。

 また、柏のプレスをかわして剥がしたい意図はあったのだろうが、呼び込むのはいいとしても、球離れが遅いため、プレスに合った際にパスコースを切られてしまうシーンが散見。したがって、最終ラインでボールを受け渡すシーンが増え、それが最終ラインを下げる要因に。自陣深いところからの攻撃だとゴールへの距離が長くなり、またロングボールを送るとしても高い精度が求められる。さらに、セカンドボールを拾えないとなると、なかなか自分たちのペースに引き寄せることも難しくなる。

 しかしながら、前への意識や積極的な守備という意識がなかった訳ではない。失点シーン、特に2点目の時は、DFの裏を取られた際に、DF陣が一斉にゴール前へ戻ってしまった結果、バイタルエリアを空けてしまい、そこを瀬川に侵入されて決められた。戻る意識はあったが、システマティックな動きではなかった。そこは個の踏ん張りというより、戦術や約束事という範疇ゆえ、そのあたりの守備の連係が発達途上というところか。一朝一夕では築き上げられないだけに、より柏の攻守においての連係や修正力を見せつけられた感じだ。また、柏は特に垣田が良かった。しっかりと収めて起点にもなり、後半には自らゴールを挙げて勝利に貢献。一方、FC東京は思ったほどマルセロ・ヒアンを活かせず。課題が浮き彫りになった。

 また、ジャッジメントに関しては、常について回る問題だが、橋本拳人が垣田を踏みつけてしまった場面は、個人的には強度の点が判断基準になったと予想。踏みつけてはいるが、ボールに触れようと足を伸ばした勢いで足裏で踏んだ形になったが、足元をガツンと払いにいった感じではないように見えた。主審からの注意はあったものの、現地もそれほど揉めた感じもなかったゆえ、そのままプレーが始まった印象だったが、カードの対象になってもおかしくはなかった。

 FC東京においても、常盤が背中を引っ張られて倒された場面や、ペナルティエリアで柏・馬場が遠藤を後ろから倒した微妙なシーンもカードはなし。カードを安易に出さない基準になっているのか、試合をコントロールしようとするあまりに局面のジャッジに歯止めがかかっているのか、それともジャッジの判断自体が不安定なのか、さまざまな要因が考えられるが、少なくともストレスを抱えるように感じる度合いが増しているのは事実。レフェリーも世代交代をしている過渡期なのかもしれないが、しっかりとした検証とレフェリングの均一化を図るよう、努めてもらいたい。

 これで勝ち点0のチームがなくなった地域リーグEAST。FC東京は前節の多摩川クラシコが川崎が酷すぎたことで勝利できたことを受け入れざるを得ない結果に。どちらかというと、自らの攻守の形を作れず、自滅という形で敗戦。一方、柏は序盤こそ苦しかったが、試合中に修正力を発揮し、ようやく自らのサッカーを表現。FC東京がその機会を与えてしまった感じの、好対照な内容となった。

 FC東京の次節は“THE国立DAY”として横浜FMの対戦。横浜FMも柏同様にようやく勝ち点3を積み上げ、これからというモードに入った。その意味では最も警戒しなくてはならない相手といえそうだ。優勝争いに喰らいつくためには、連敗は許されない。多くの課題を突き付けられているが、眼前の課題を一つずつクリアして、粘り強さをみせたい。

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明治安田J1百年構想リーグ 地域リーグラウンド 第4節
2026年2月28日(土)15:03KO
味の素スタジアム 〈丸利根アペックス Day〉
入場者数: 21,869人
天候:晴れ / 気温: 18.2℃ / 湿度:37%
主審:長峯滉希
副審:淺田武士、藤澤達也
第4の審判員:田中玲匡
VAR:鶴岡将樹
AVAR:浜本祐介

FC東京 0(0-0 / 0-2)2  柏


【得点】
(東):
(柏):垣田裕暉(54分)、瀬川祐輔(82分)

〈試合経過〉
33分  警告 東京 橋本拳人
54分  得点 柏  垣田裕暉
63分  交代 東京 長友佑都 → 橋本健人 / マルセロ・ヒアン → 遠藤渓太
65分  警告 柏  山内日向汰
67分  交代 柏  垣田裕暉 → 細谷真大 / 小見洋太 → 山之内佑成 / 山内日向汰 → 瀬川祐輔
72分  警告 東京 佐藤龍之介
74分  交代 東京 常盤亨太 → 小泉 慶 / 佐藤龍之介 → 山田楓喜
81分  交代 東京 佐藤恵允 → 仲川輝人
82分  得点 柏  瀬川祐輔
83分  交代 柏  小西雄大 → 戸嶋祥郎
85分  交代 柏  馬場晴也 → 犬飼智也
88分  警告 柏  小泉佳穂

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【FC東京メンバー】
〈スターティングメンバー〉
GK 81 キム・スンギュ
DF 02 室屋 成
DF 05 長友佑都
DF 17 稲村隼翔
DF 24 アレクサンダー・ショルツ
MF 16 佐藤恵允
MF 18 橋本拳人
MF 23 佐藤龍之介
MF 27 常盤亨太
FW 09 マルセロ・ヒアン
FW 26 長倉幹樹

〈控えメンバー〉
GK 01 田中 颯
DF 15 大森理生
DF 42 橋本健人
MF 10 東 慶悟
MF 22 遠藤渓太
MF 37 小泉 慶
MF 71 山田楓喜
FW 39 仲川輝人
FW 55 尾谷ディヴァインチネドゥ

〈監督〉
松橋力蔵

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【明治安田J1百年構想リーグ FC東京 日程】
〈地域リーグラウンド〉
第01節 2026年2月07日(土)13:30 ▢FC東京1-1鹿 島 (H・味スタ
第02節 2026年2月14日(土)15:00 ▢FC東京1-1浦 和 (H・味スタ
第03節 2026年2月21日(土)15:00 〇FC東京2-1川 崎 (A・U等々力
第04節 2026年2月28日(土)15:00 ✕FC東京0-2 柏  (H・味スタ

第05節 2026年3月07日(土)14:00 FC東京✕横浜FM (H・MUFG国立
第06節 2026年3月14日(土)14:00 FC東京✕水 戸 (A・Ksスタ
第07節 2026年3月18日(水)19:00 FC東京✕千 葉 (A・フクアリ
第08節 2026年3月22日(日)14:00 FC東京✕東京V (A・味スタ
第09節 2026年4月05日(土)15:00 FC東京✕町 田 (H・味スタ
第10節 2026年4月11日(土)15:00 FC東京✕横浜FM (A・日産ス
第11節 2026年4月18日(土)14:00 FC東京✕町 田 (A・Gスタ)※
第12節 2026年4月24日(金)19:00 FC東京✕水 戸 (H・味スタ
第13節 2026年4月29日(水)16:00 FC東京✕ 柏  (A・三協F柏
第14節 2026年5月02日(土)14:00 FC東京✕川 崎 (H・味スタ
第15節 2026年5月06日(水)15:00 FC東京✕千 葉 (H・味スタ
第16節 2026年5月10日(日)15:00 FC東京✕東京V (H・味スタ
第17節 2026年5月16日(土)16:00 FC東京✕浦 和 (A・埼スタ
第18節 2026年5月23日(土)17:30 FC東京✕鹿 島 (A・メルスタ
〈プレーオフラウンド〉
PO1 2026年5月30日(土)・31日(日)FC東京✕未定 (A・未定
PO1 2026年6月06日(土)14:00 FC東京✕未 定 (H・MUFG国立

※町田がACLE2025/2026準々決勝以降出場の場合は4月1日(水)に開催

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